「裏社会は、保険金殺人という、安全で確実なビジネスの障害となるKを監視する必要性に駆られた。「Kを監視するには、保険金殺人の当事者を起用するのが最適だ。」幹部の判断で、シャブ中構成員でかつ肉親の命を保険金で替えたか、替える予定の極悪連中が招集されたのだ。K包囲網である。」

ジャーナリストK対策で、「朝鮮悪」メンバー―が招集されたのは、保険金殺人ビジネスをKから守るのが目的だった。それに間違いはない。だが、朝鮮悪組織は、保険金殺人をなすことが目的の組織ではない。保険金殺人は、組織が自ら存続資金を稼ぎ出すための「事業」であり、組織の目的ではなかったのだ。

「朝鮮悪」は、あくまでも日本に於ける「北朝鮮勢力」の集合体であり、オウム事件の本番に備えて待機しているテロ予備軍である。その構成員は、統率信者、S禍信者、北朝鮮工作員等に色分けできるが、要するに「朝鮮」繋がりの分子たちだ。統率は、日本の女性信者から搾り取った資金を日本政界にばらまき、北朝鮮製の麻薬を密売するなどして資金を得て、日本国家支配を実現してきた。だが、教祖の死亡により、集金力が一気に衰えた。「生きている間に痴情天国を実現する。」と称して、日本人信者から搾り取ってきた教祖が、簡単に死んでしまったことで、信者たちは「裏切られた」「騙された」と感じているのだ。

教祖の夫人が、ボロボロの教団街宣車に乗って都内でみすぼらしい遊説を行ない寄付を募ったが、日本の女性信者たちに献金に回す余力は残っていなかった。

「朝鮮悪」も、もはや、統率教会の資金力に頼ることはできない。自ら延命資金を稼ぎ出さなければならない。そこで、採用されたのが「保険金殺人」なのである。というか、もとからある北朝鮮風味の「事業」が強化されたのだ。

北朝鮮製の覚せい剤の「上客」をリクルートして、朝鮮悪組織に引き込んだ。覚醒剤と裏金を餌に、朝鮮悪の悪事の遂行に協力させる。そして、覚醒剤で人間としての理性を破壊され、どんな悪行でも厭わない「廃人」となった暁には、当人の家族を保険金殺人のターゲットに定めて、「換金」するのだ。老親や兄弟、配偶者を殺して、億単位の保険金を手に入れさせる。その「売上」の大半を当人から取り上げて、朝鮮悪組織の収入とする。保険金殺人と覚せい剤の密売の収入で、朝鮮悪組織は、運営資金を捻出してきたのだ。

ジャーナリストKと朝鮮悪組織の戦いは、15年以上続いている。朝鮮悪組織は、Kによる保険金殺人追及を妨害することを目的の一つとはしていたが、本来の目的は、Kによるオヲム事件の真相追及を阻止することだった。オヲム事件の本番を実行するには、Kの口を封じなければならない。何度も暗殺は仕掛けた。ことごとく、失敗した。ほとんど成功しそうになったケースもあったが、土壇場でひっくり返された。15年経っても、Kはふてぶてしい顔で生きている。どうにもならない。一体、なぜ、暗殺ができないのか?朝鮮悪はKが大きな未知の力によって守られていることに流石に気づいている。簡単に言うとKには「天の加護」があるのだ。

そこで、単純に暗殺する以外のことを試してみる。破壊工作の任務を帯びた工作員をKの後援会組織に送り込む。さらには、Kに対して影響力を持っていそうな後援会員を、破壊工作員が、金とクスリと「色」で懐柔して朝鮮悪組織に引っ張り込む。シャブ中に作り替えることに成功すれば、どんな支持者も一発で、反対者に変えられる。Kの周囲の熱心な会員をアンチKに作り替えて、突如、K批判をさせる。これで、Kにダメージを与える作戦だった。側近と思しき人物を麻薬遍歴を突き止めて脅した。クスリの楽しみを思い出させて、組織に引き込む。だが、アンチKに回らせても、なんら、事態に変化がない。「側近」と思しき人物をKから引き離しても、何も変わらない。要するにKには側近と呼べる人物など最初からいなかったのだ。Kは、元側近が居なくなって、「ああ、助かった」といった涼しい顔をしているのだ。お話にならない。(続く)

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